地平線まで行ってくる。

記録あるいは忘備録。時には検討事項。

Geminiでグラフを読み取らせて遊んでみる。

適当な図で読図力を知りたくなって、Googleさんの無料枠をありがたく使い、お試ししました。

 

題材は「製造業を巡る現状と課題 今後の政策の方向性」としてMETIから発表されたP10の図を使います。

https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/seizo_sangyo/pdf/016_04_00.pdf

 

そのうち、以下の資料を引用致しました。

製造業を巡る現状と課題 今後の政策の方向性P10

 

モデルにはGoogleのgemini-1.5-flashとgemini-1.5-proを使いました。処理時間は測定していませんが、明らかにflashが高速です。プロンプトも省きますが、同じプロンプトを用いています。


gemini-1.5-flash

この図は、日本の主要製造業企業の海外売上比率と利益率の関係を表したものです。図中の各円は企業を表し、円の大きさは営業利益の大きさを表しています。

図からわかることは、以下の通りです。

  • 海外売上比率が高い企業は、利益率も高い傾向にある これは、海外市場で成功している企業は、国内市場に比べて競争が激しい中で、高い利益率を確保していることを示しています。
  • 海外売上比率が低い企業は、利益率が低い企業と高い企業の両方がある これは、海外市場への進出状況や事業内容によって、利益率が大きく異なることを示しています。
  • 海外売上比率が50%を超える企業は多く、日本の主要メーカーは海外市場への依存度が高い これは、日本の主要メーカーが、グローバルな競争の中で生き残るために、海外市場への進出を積極的に行っていることを示しています。
  • 海外売上比率が低いながらも、高い利益率を維持している企業も存在する 例えば、小野薬品工業中外製薬塩野義製薬などの製薬会社、あるいは花王などの日用品メーカーなどがあります。 これらの企業は、国内市場において高いブランド力や技術力を持つことで、高い利益率を維持できていると考えられます。

海外の売上比率が低いが利益が高い会社

これらの企業は、国内市場において高いブランド力や技術力を持つことで、高い利益率を維持できていると考えられます。

  • 製薬会社
    • 特定の疾病に対する効果の高い新薬を開発し、特許を取得することで競合他社との差別化を図り、高い価格で販売することができるため
    • 医療費は国によって大きく異なるため、海外への進出よりも国内市場に注力している可能性もある
  • 日用品メーカー
    • 日用品は、生活必需品であるため、海外市場に比べて国内市場の規模が大きく、安定的な収益が見込めるため
    • 消費者の嗜好や文化が異なるため、海外市場への進出には多大な費用と時間がかかるため、国内市場に注力している可能性もある

ただし、これらの企業も海外市場への進出を検討している可能性はあります。世界の人口増加や高齢化に伴い、海外市場の成長が期待されるため、海外市場への進出を検討している企業も多いと考えられます。

 

gemini-1.5-pro

図表の概要:主要製造業企業の「海外売上比率」と「利益率」の関係

この図表は、日本を代表する製造業企業を対象に、横軸に「海外売上比率」、縦軸に「営業利益率」 をプロットしたものです。

図表からは、主に以下の3点が読み取れます。

  1. 多くの企業で海外売上比率が50%を超えている。 これは、日本の製造業にとって、海外市場が重要な位置を占めていることを示しています。
  2. 海外売上比率が高い企業群では、利益率のばらつきが大きい。 これは、単純に海外に進出すれば利益を上げられるわけではなく、企業によって海外展開の成功度合いが異なることを示唆しています。
  3. 海外売上比率が低い企業群の中にも、高い利益率を誇る企業が存在する。 これらの企業は、国内市場に強みを持つ、あるいは、高付加価値製品で競争優位性を築いている可能性があります。

海外売上比率が低いが利益が高い会社:任天堂

その理由として、以下の点が考えられます。

  • 強力なブランド力と独自性の高いゲームソフト 任天堂は、世界中に熱狂的なファンを持つ「マリオ」や「ゼルダ」など、強力なゲームキャラクターを多数保有しています。 これらのキャラクターを生み出した、独自性の高いゲームソフトは、世界中で高く評価されており、価格競争に巻き込まれにくいビジネスモデルを確立しています。
  • 効率的な経営体制 研究開発から販売まで一貫して自社で行うことで、無駄を省いた効率的な経営を実現しています。 これにより、高品質な製品を比較的低コストで提供することを可能にしています。

まとめ

海外売上比率が高いことは、企業の成長にとって重要な要素の一つですが、利益を確保するためには、市場に合わせた戦略や、独自の強みを活かすことが重要です。

任天堂の例は、海外売上比率が低くても、独自の強みを持つことで、高い収益性を上げることが可能であることを示しています。

 

いやー、どちらのモデルもしっかり図から読み取っています。さすがです。考察もびっくりする破綻もないし凄すぎます。

 

さらに考察をさせていきます。

プロンプト:「この図表は、日本を代表する製造業企業を対象に、横軸に「海外売上比率」、縦軸に「営業利益率」 をプロットしたものです。
海外比率が高く、利益率が高い企業の特色と海外比率が高いが利益率が低い企業の特色を考察し、その理由を推定してください。丁寧に回答ください。

gemini-1.5-flash

この図表は、日本を代表する製造業企業を対象に、横軸に「海外売上比率」、縦軸に「営業利益率」 をプロットしたものです。

海外売上比率が高く、利益率が高い企業の特色

海外売上比率が高く、利益率が高い企業は、グローバル競争力が高く、世界中で需要のある製品やサービスを提供していると考えられます。 例えば、キーエンスファナック村田製作所テルモなどがあります。これらの企業は、独自の技術力や製品開発力、ブランド力によって、世界市場で高いシェアを獲得しています。

海外売上比率が高いが利益率が低い企業の特色

海外売上比率が高いが利益率が低い企業は、価格競争が激化している市場で事業を行っていると考えられます。 例えば、トヨタ、ホンダ、日産自動車などがあります。これらの企業は、世界中で自動車を販売していますが、価格競争が激化しており、利益率が低くなっている傾向にあります。また、新興国の市場では、品質やブランドイメージよりも価格が重視される傾向があり、価格競争が激化しています。

理由の推定

海外売上比率が高い企業が、利益率も高い場合、以下の要因が考えられます。

  • 差別化された製品やサービスを提供している
  • 高い技術力やブランド力を持っている
  • 効率的な生産体制を構築している
  • 外市場の開拓に成功している

一方、海外売上比率が高い企業が、利益率が低い場合は、以下の要因が考えられます。

  • 価格競争が激化している
  • 為替変動の影響を受けている
  • 外市場での収益性確保に苦労している
  • コスト管理がうまくいっていない

まとめ

海外売上比率が高く、利益率が高い企業は、グローバル競争力が高く、世界中で需要のある製品やサービスを提供している企業です。一方、海外売上比率が高いが利益率が低い企業は、価格競争が激化している市場で事業を行っている企業です。 企業の利益率は、海外売上比率だけでなく、様々な要因によって決まります。企業の経営戦略や事業環境を分析することで、その理由をより深く理解することができます。

 

gemini-1.5-pro

日本企業の海外展開:高収益を実現する企業と苦戦する企業の分かれ道

このグラフは、日本企業の海外展開における「成功パターン」と「課題」を浮き彫りにしています。

1. 高収益を実現する企業群の特徴と成功要因

  • 高付加価値・高価格帯製品の提供: キーエンス(FA機器), 信越化学(半導体材料), SMC(空気圧機器)などは、世界的に高い競争力を持ち、価格競争に巻き込まれにくい製品・技術を強みとしています。
  • 独自のブランド力・商品力: 任天堂(ゲーム)やソニー(ゲーム・エンタメ)は、世界中に熱狂的なファンを持つ強力なブランドを確立しています。
  • グローバルニッチ市場での優位性: 村田製作所(電子部品)やTDK(電子部品)は、特定の電子部品分野で高い技術力とシェアを誇り、収益性を確保しています。

これらの企業は、以下の要因により高い利益率を実現しています。

  • 高価格帯でも需要が見込める独自の技術力・ブランド力
  • 為替変動の影響を受けにくい収益構造
  • 世界規模での最適な生産・調達体制の構築

2. 課題を抱える企業群の特徴と要因

  • 成熟市場における競争激化: 自動車業界(トヨタ, 日産など)や電機業界(パナソニック, 日立など)は、グローバル競争の激化や原材料価格の高騰により収益性が低下しています。
  • 価格競争への巻き込まれ: アパレル業界(ファーストリテイリング)や食品業界(味の素)は、価格競争が激しく、コスト削減圧力にさらされています。
  • 外市場への適応の難しさ: 日本独自のビジネスモデルや商品が、海外市場で受け入れられないケースも見られます。

これらの企業は、以下の課題を克服する必要があります。

  • 製品・サービスの差別化による付加価値向上
  • ブランド力の強化と顧客ロイヤルティの向上
  • コスト競争力強化のための生産体制見直し
  • 外市場ニーズに合わせた商品開発・マーケティング戦略

3. まとめ:海外展開の成功には「独自性」と「柔軟性」が不可欠

グラフから、海外売上比率の高低だけで企業の収益性を一概に判断できないことがわかります。重要なのは、

  • 世界を相手に「競争優位性を築ける分野」を見極める
  • 各国の市場特性に合わせた「柔軟な戦略」を実行する

ことと言えるでしょう。日本企業は、従来の「高品質・高機能」といった強みに加え、時代の変化に合わせた「独自性」と「柔軟性」を兼ね備えることで、更なるグローバルでの成功を実現できる可能性を秘めていると言えるでしょう。

 

同じプロンプトでもflashとproでは答え方が違います。flashは比較的に指示をなぞる形ですが、proは考察をすすめたテキストを返してきている印象です。どちらがいいというよりも、どういう答えを求めているか、のステージになってきていると感じました。

OpenAIばかりが注目されてますが、どれもこれもレベルが上がってきて、Googleのモデルも使いやすくなってきていますね。

 

それにしても、日本の製造業頑張って欲しいです。